どんなに魅力的なホームページでも、見てもらえなければ問い合わせには繋がりません。データ分析では、どのようなキーワードで検索されてサイトに流入しているか、あるいは流入していないか、検索順位はどうなっているかなどを確認できます。
流入が少ない場合、考えられる理由はSEO対策の不足です。ターゲットとするユーザーが検索するキーワードで上位表示できていないため、見込み顧客にリーチできていない状況です。
データに基づかないSEO施策は、効果がないまま誰にも見てもらえないサイトになってしまうリスクがあります。SEO対策には、効果的なキーワード選定や内部対策、外部対策など、専門的な知識が必要です。

サイトに来てくれたユーザーが、問い合わせや購入といった目標とする行動に至る前に離脱してしまっているケースです。
Googleアナリティクスなどで、ユーザーがどのページを閲覧し、どのページで離脱しているか、滞在時間はどのくらいかなどを分析することで、問題のあるページや導線が見えてきます。
ヒートマップツール（Clarityなど）を使えば、ユーザーがページのどの部分に注目し、どこで迷っているか、クリックされている場所、されていない場所などが視覚的に分かります。
離脱率が高い、回遊率が低いといったデータは、サイトの構成が分かりにくい、必要な情報が見つけにくい、ページの読み込みが遅い、デザインが古い・使いにくい（特にスマホ非対応など）、コンテンツがユーザーの興味を引かない、といった問題を示唆しています。
ユーザーが目的の情報にたどり着きやすく、サイト内をスムーズに移動できるような改善が必要です。

ユーザーが問い合わせページやフォームまで来てくれたにも関わらず、入力途中でやめてしまったり、送信ボタンを押さなかったりする場合です。
データ分析では、問い合わせフォームへの到達率は高いのに、完了率（コンバージョン率）が低い、といった状況を把握できます。
また、Googleタグマネージャーなどでキーイベント（サンクスページ到達など）を設定することで、どこまでユーザーが進んだかを正確に追跡できます。
この場合、問い合わせフォームの項目が多すぎる、入力が煩雑、フォームの操作性が悪い、プライバシーポリシーの記載がない、信頼性に欠けるデザインになっている、といった問題が考えられます。
ユーザーが安心して簡単に入力・送信できるようなフォームや、問い合わせを促す明確なコールトゥアクションが必要です。

多くのアクセスがあっても、それが自社のサービスや商品に関心のないユーザーであれば、問い合わせには繋がりません。
データ分析ツールでは、サイトに訪れているユーザーの属性（年齢、性別、地域など）や興味関心といったデータを収集・分析できます。
もし想定している顧客層と実際のサイト訪問者の属性が大きく異る場合、キーワード選定や広告のターゲティング、サイト全体のメッセージングなどに問題がある可能性があります。
問い合わせに繋がる見込み顧客に正しくアプローチするためには、データに基づいたターゲット設定と、それに合わせた戦略的なコンテンツ・キーワードの見直しが必要です。

ホームページは一度作ったら終わりではありません。「作って終わり」のウェブサイト制作では、変化する市場やユーザーのニーズに対応できず、時間の経過と共に成果は低下していきます。
問い合わせが増えない原因の一つは、公開後の運用フェーズで、データに基づいた効果測定や改善提案が全く行われていないことにあります。
継続的なデータ分析によって、実施した施策の効果を測定し、新たな課題を発見し、常に最適な状態にホームページを「成長」させていく必要があります。
データに基づかない改善は、再び勘や経験に頼った非効率な施策になりがちです。